新日鐵住金ステンレス株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:木下 洋、以下「NSSC」)は、クロム系ステンレス異形鉄筋を長寿命建築物へ積極的に適用展開しています。この度、福岡県東長寺(福岡県福岡市博多区)の境内に建設が予定されている五重塔の基礎に当社のクロム系ステンレス異形鉄筋(名称:NSSD®410)が採用されることになりました。施主側の高耐久化に対する強い要望に応えて、五重塔は最新の耐震設計技術を駆使した総檜の純木造で、鉄筋コンクリート造の基礎および杭に上記ステンレス鉄筋を適用し、高耐久化を図ることになりました(構造設計・施工:松井建設株式会社)。ステンレス鉄筋を使用した高耐久鉄筋コンクリート造が日本の伝統的木造建築物を永く支えていきます。
鉄筋コンクリート構造物の劣化・損傷の要因となります鉄筋の腐食を防止し、構造物の高耐久・長寿命化を図るため、ステンレス鉄筋の使用が拡大しています。NSSCは、性能(塩害環境では普通鉄筋耐用年数の約20倍)・コストの両面で優れるクロム系ステンレス異形鉄筋(名称:NSSD®410)を劣化・損傷の予想される部位に選択的に適用することを提案してきました。土木分野では塩害環境の厳しい海岸地区の構造物(港湾設備、橋梁など)、建築分野では超長期集合住宅(いわゆる200年住宅)などの鉄筋コンクリート造外周部に適用検討が進められています。
弘法大師創建の寺として知られる東長寺では、開基1200年記念を機に五重塔の建立を計画し、九州新幹線全線開通前の平成22年末の完成を目指しています。歴史に永く残る建物にしたいという施主側の強い要望により、日本古来の建築様式を採用した総檜純木造の五重塔となります。建設を受注した松井建設株式会社は、日本の伝統的建築技術に最新の耐震設計技術を融合させ、時間をかけて構造設計に取組み、今春建築確認を取得しました。その文化的にも価値ある純木造の五重塔を支える基礎および杭の鉄筋コンクリート造部分にクロム系ステンレス異形鉄筋「NSSD®410-295」が採用されます。ステンレス鉄筋の採用によりメンテナンスの難しい基礎および杭部が高耐久化され、建物全体の長寿命化が図られます。神社仏閣などのコンクリート構造物に本鉄筋が採用されるのは東京都根津神社・神橋に続いて二例目ですが、五重塔の基礎に採用されるのは本件が初めてです。
神社仏閣などの歴史的建築物、超長期集合住宅(いわゆる200年住宅)、鉄筋腐食の影響が出やすい建物外周部のコンクリート部材などの建築物で適用拡大を進めています。さらには、土木分野においても塩害環境の厳しい沿岸橋梁・港湾設備、道路高架橋、特殊建造物などでステンレス鉄筋のニーズは高く、ステンレス鉄筋のJIS化(本年3月制定)、設計施工指針案の作成(土木学会から本年9月発刊)を機に積極的に適用を推進していく予定です。
NSSCはステンレス鉄筋を活用した先導的な技術開発、普及活動を通じて鉄筋コンクリート造の信頼性を高め、「安全・安心」の社会づくりとともに、神社仏閣など日本の優れた伝統的建築物の高耐久化にも貢献していきます。
(東長寺五重塔完成予想図)

| (1)工事名称: | 東長寺五重塔新築工事(福岡県福岡市博多区) |
| (2)構造設計・施工: | 松井建設株式会社 |
| (3)構造概要: | ・構造種別:木造(総檜の純木造) ・基礎:鉄筋コンクリート造 ・杭:場所打ち杭 |
| (4)ステンレス鉄筋適用部位: | 基礎および杭(約23トン) |
| (5)ステンレス鉄筋の種類: | クロム系ステンレス異形鉄筋「NSSD®410-295」 |