クロム系ステンレス異形鉄筋の国土交通大臣認定取得について ~ステンレス業界初、建築基準法37条第二号の規定に適合~

2006/04/12

新日鐵住金ステンレス株式会社(所在地:東京都中央区、社長:米澤敏夫、以下「NSSC」)は、クロム系ステンレス異形鉄筋(名称:NSSD410-295)について、ステンレス業界で初めて建築基準法37条第二号の認定を取得しました(認定番号:MSRB-0035)。当該認定取得により、普通鉄筋と同様にステンレス鉄筋を使用することができ、建築構造物の耐久性向上、長寿命化に画期的な役割を果たすものと期待されます。

1.ステンレス鉄筋に対する社会的ニーズ

鉄筋コンクリート構造物(RC構造物)の耐久性向上が社会的に求められています。RC構造物の経年劣化の中で、鉄筋腐食は鉄筋自体の強度低下をもたらすばかりでなく、鉄筋の錆びによる体積膨張がコンクリートのひび割れ、崩落を誘発する原因となります。欧米では腐食環境の厳しいRC構造物などで鉄筋腐食による上記トラブルを防止するため、ステンレス鉄筋を使用する例が増えています。ステンレス鉄筋は合金成分により素材自体の耐食性が高く、塗装などの表面処理の必要性がないため、施工現場において普通鉄筋と同じような加工できるとともに、塗膜損傷時の補修塗装なども必要ありません。国内においてもRC構造物の長寿命化、メンテナンス低減に対する社会的要求は年々増加しており、耐食性・経済性に優れるステンレス鉄筋へのニーズが高まっています。

2.建築基準法37条認定取得の意義

建築分野においては建築基準法37条で構造部材として使用できる材料が指定されており、それ以外の材料を使用する場合には国土交通大臣の個別認定が必要です。鉄骨などの構造用鋼材としては既に当社のクロム系ステンレス鋼板(名称:建築構造用クロム鋼材 YUS®410W-MS、認定番号:MSTL- 0084,MSTL-0085)が建築基準法37条の認定を取得していますが、RC構造物にステンレス鉄筋を使用するためには鉄筋としての認定が別途必要でした。今回の認定によりクロム系ステンレス鉄筋(名称:NSSD410-295)は、現在使用されている普通鉄筋と同等の技術的基準を満足していることが認められ、現行の設計施工法を活用しながらRC構造物の耐久性向上を図ることが可能となります。耐久性向上を目的としたステンレス鉄筋が建築基準法37 条の大臣認定を受けたのは初めてのことです。

本認定により建築構造物へのステンレス鉄筋の適用が容易となり、実構造物への使用に向けて大きく門戸が開かれたと言えます。その優れた耐食性を活かして、鉄筋腐食によるRC構造物の経年劣化を防止でき、建築構造物の長寿命化に大きく貢献するばかりでなく、ステンレス鉄筋に合った設計施工法を組合せることにより、適用メリットはさらに膨らむものと期待されます。

3. 認定取得の対象・範囲

今回、認定を受けたクロム系ステンレス鉄筋の対象・範囲は以下のとおりです。

(1)名称 異形棒鋼「NSSD410-295」
(2)成分概要 クロムを11%以上含有するクロム系ステンレス鋼
(ステンレス棒鋼のJIS規格鋼種:SUS410Lに相当)
(3)基準強度 295N/mm2
(4)鉄筋サイズ D13~D25 (公称直径13~25mm)
(5)製造工場 新日鐵住金ステンレス㈱ 光製造所

4. クロム系ステンレス鉄筋(NSSD410-295)について

クロムを10.5%以上含有する鉄鋼材料をステンレス鋼と定義していますが、本鉄筋は耐食性に必要な成分であるクロムを11~13.5%含有するクロム系ステンレス鋼(SUS410L相当)です。コンクリート中で高い耐食性を発揮するとともに、ニッケルを多く含有する一般的なステンレス鋼に比べ、コストパフォーマンスも高いことが特長です。本鉄筋の外観、耐久性、使用例を次頁(写真1~3)に示します。

外観写真


写真1.クロム系ステンレス異形鉄筋(NSSD410-295)の外観写真

耐久性

普通鉄筋では顕著な腐食が生じる条件でもクロム系ステンレス異形鉄筋(NSSD410-295)では腐食が生じにくい。

使用例

完成後 コンクリート打設前
写真3.クロム系ステンレス異形鉄筋の使用例(当社・光製造所護岸堤防)
以上
本件についてのお問い合わせ先

新日鐵住金ステンレス株式会社
商品技術部 TEL 03-3276-4890
棒線営業部 TEL 03-3276-4830
企画部   TEL 03-3276-4848