ステンレス業界初の「100年住宅」適合商品の提供(YUS410W-MS)

2003/12/03

新日鐵住金ステンレス株式会社(所在地:東京都中央区、社長:萬谷興亞、以下「NSSC」)は、建築基準法第37条の国土交通大臣認定を既に取得している建築構造用クロム鋼(規格名称:YUS410W-MS)について、このほど、住宅性能表示基準の「等級3」に適合する旨の国土交通大臣認定をステンレス業界で初めて取得しました。

当該認定取得を受け、NSSCは、業界初の「100年住宅」適合商品の提供を開始いたします。

1. YUS410W-MSが提供するソリューション

「等級3」に適合する構造躯体用鉄鋼材料は、従来、めっき及び塗装鋼材に限られていました。裸使用の鉄鋼材料として初めて当該認定を取得したYUS410W-MS(11Cr-Low C-Low N)は、従来材との比較で、施工作業を軽減いたします。

具体的には、従来の表面処理鋼材あるいは塗装鋼材では、溶接施工に際して、溶接前のめっき層・塗膜の除去に加え、溶接後の再塗装や補修処理が必要となります。また、切断端面やボルト穴断面等に、素地の普通鋼が露出することもあるため、場合によっては、補修・再塗装などの処置が必要です。

一方、本商品は、素地自体の耐食性が優れていますので、これらの作業が省略できます。また、表面処理鋼材では、表面処理層が腐食の進行によって消失した後は、地鉄の腐食が急速に進む場合があるのに対して、本商品は、素地自体の耐食性が優れていますので、耐久信頼性が向上いたします。

なお、本商品は、普通鋼の建築構造用圧延鋼材(JIS G 3136 SN400系)と同様の機械的特性を有しますので、構造設計に際して、普通鋼と同一に取り扱えます。

2. YUS410W-MSの商品メニュー

本商品は、熱間圧延鋼材製品です。当面の供給可能サイズは、

 ・酸洗材  :板厚;2.3㎜~8㎜、最大幅;5Ft
 ・未酸洗材:板厚;2.3㎜~9㎜、最大幅;5Ft

となりますが、今後、住宅構造躯体のベースプレート向け等にも供給していくべく、最大板厚を30㎜まで拡大して行く予定です。

ご参考

1. 住宅性能表示基準について

平成11年6月制定の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)に伴って創設された「住宅性能表示制度」では、住宅性能表示の適正化を図るために、国土交通大臣により「日本住宅性能表示基準」が定められました。
そこでは、住宅等の構造躯体として用いた場合の劣化対策等級(耐久性)が規定されておりますが、各等級の定義は以下のとおりであり、等級3が最高ランクとなっています。

等級3 通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下で、3世代(概ね75~90年)まで、大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策が講じられている。
等級2 通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下で、2世代(概ね50~60年)まで、大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策が講じられている。
等級1 建築基準法に定める対策が講じられている。

2. YUS410W-MSについて

本鋼種は、昭和50年代前半に新日本製鐵(株)の溶接構造材用クロム系ステンレス鋼として開発されたYUS410W-M(11Cr-Low C-Low N)がベースとなっており(開発対象用途:冷凍コンテナの骨材)、平成14年5月に、建築基準法第37条第二号に適合する建築構造材として国土交通大臣の認定を取得しています(材料の名称;建築構造用クロム鋼材YUS410W-MS、認定番号;MSTL-0084、MSTL-0085)。

本商品は、本文で述べたとおり、お客様の施工作業を軽減し、耐久信頼性が向上することに加えて、高伸び、低降伏比を特徴としており、クロム鋼としては軟質で形状凍結性にも秀でていることも含め、「100年住宅」に最適な材料です。

(YUS410W-MSの機械的性質 板厚:6mmの例 )

0.2%耐力:283 N/㎜2 (建築構造材料としての基準強度;235 N/㎜2
伸び:37% (建築構造用普通鋼圧延鋼材6㎜の例:28%)
降伏比:62% (建築構造用普通鋼圧延鋼材6㎜の例:74%)

【住宅等の構造躯体として広く使用されているジュニアサイズの溶接H形鋼をYUS410W-MSで製作した実例】


フランジ厚;6.0㎜、 ウェブ厚;4.5㎜
フランジ幅;150㎜、 高さ;300㎜

本件に関するお問い合わせは以下にお願いいたします。
新日鐵住金ステンレス株式会社
商品技術部 TEL 03-3276-4890
企画部 TEL 03-3276-4912