冷間圧造性に優れたステンレス鋼線材の開発について(NSSC XM7SH) ~冷間圧造用工具の寿命を従来鋼の約2倍に延長~

2003/12/11

新日鐵住金ステンレス株式会社(所在地:東京都中央区、社長:萬谷興亞、以下「NSSC」)は、ネジ製造における冷間圧造性を飛躍的に向上させたステンレス鋼線材を開発致しました。本商品(規格名称:NSSC XM7SH)は、加工硬化の小さい JIS規格 SUS XM7の化学成分をベースに、特殊成分(ボロン)の微量添加等によって、ネジ加工時の工具荷重を大幅に低減させ、従来のSUS XM7の約2倍の工具寿命を実現する等、冷間圧造性が飛躍的に向上致します。

1.NSSC XM7SHが提供するソリューション

  1. お客様の冷間圧造性改善ニーズにお応えする商品です。
    ステンレス鋼ねじは、屋外環境にさらされる自動車や建築・構造物から、錆びを極端に嫌うOA機器等の精密機器部品に至る、各種”締結部材”として、幅広い分野で使用されています。
     当該用途には、
    ⅰ)上記環境で優れた耐食性を示し、
    ⅱ)高延性である、オーステナイト系ステンレス鋼の中でも、
    ⅲ)加工硬化の比較的小さいSUS XM7(18%Cr-9%Ni-3%Cu)が広く適用されておりますが、お客様からは、更なる冷間圧造性の改善による
    1) ネジ等を冷間圧造で製造する際の工具寿命の延長
    2) 複雑形状への加工の容易化
    を強く求められておりました。

    NSSC XM7SH(18%Cr-9%Ni-3%Cu-LowC,N-B)は、このようなお客様のニーズに応えるべく、SUS XM7の成分をベースとして、溶解精錬技術の工夫により、効率的かつ安定的に鋼中の炭素および窒素不純物を低減し、かつ、主要合金成分の最適化を進めたうえ、さらに特殊元素(ボロン)を微量添加することによって、一層の軟質化を図りました。
    この結果、加工時の工具荷重を従来のSUS XM7に対し約2割低減するとともに(図1参照)、圧造工具の寿命を約2倍に延長する(図2参照)等、生産性が大幅に向上した事例が得られています。

  2. NSSC XM7SH適用の具体的メリット

    1. 工具寿命が大幅に延長されるため、工具交換頻度の減少等を通じて、お客様での生産性が向上します。
    2. 従来鋼では困難であった冷間圧造による複雑形状部品の製造が可能となります。

[図1]冷間変形試験結果例 (40%軸絞り加工時の圧縮荷重)

[図2]工具寿命 改善例(ネジ形状:M4十字穴付きなべ頭ネジ


(外観図)

[参考]ステンレス鋼ネジの製造工程


*1)ネジ゙頭部圧造工程例(詳細)

本件に関するお問い合わせは以下にお願いいたします。
新日鐵住金ステンレス株式会社
 商品技術部 TEL 03-3276-4890
 企画部 TEL 03-3276-4912